毎日新聞 2014年12月10日 東京朝刊
降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑で、英医学誌が千葉大の論文を撤回していたことが分かった。データ改ざんの可能性を指摘した大学の調査結果を受けた措置。著者らは撤回に同意していないが、医学誌側が強制的に撤回した形だ。
撤回されたのは2012年に英医学誌「ジャーナル・オブ・ヒューマン・ハイパーテンション」に掲載された論文で、今年10月9日付だった。同誌は「利益相反の管理とデータの信頼性に問題がある」と説明している。
千葉大の調査委員会は、論文で使われたデータがバルサルタンに有利になるよう改ざんされた可能性を指摘。さらに試験責任者の小室一成教授(現東京大教授)ら著者を「虚偽説明で調査を混乱させた」と批判していた。千葉大は8月までに2度、著者らに論文の撤回を勧告している。
一方、小室氏の代理人は取材に「撤回に同意していない」と話し、11年に別の医学誌に発表した主論文も撤回しない意向を示した。
一連の論文には薬の販売元であるノバルティスファーマの社員が関わっていたが、論文上は社名が伏せられ、所属は「大阪市立大」となっていた。小室氏らは疑惑発覚後、この点を修正して再投稿していた。【八田浩輔】
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論文の強制撤回はジャーナルが不正を認めたということです。
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