矢野正(Tadashi Yano)元奈良学園大学、元名古屋経済大学が盗用、改ざん。
発生原因は矢野正が「採用当初から特定不正行為(盗用、改ざん)を意図的かつ継続的に行っており、研究者としての倫理観が著しく欠如していたことが、不正の発生した最大の要因と考えられる。」
学術に関することを紹介します。
矢野正(Tadashi Yano)元奈良学園大学、元名古屋経済大学が盗用、改ざん。
発生原因は矢野正が「採用当初から特定不正行為(盗用、改ざん)を意図的かつ継続的に行っており、研究者としての倫理観が著しく欠如していたことが、不正の発生した最大の要因と考えられる。」
瓜生瑞穂(Mizuho Uryu、他1,2,3、筆頭著者)元名大博士後期課程院生・製薬会社勤務(現在)、村上慧(Kei Murakami、経歴1、2、責任著者)元名大特任准教授・関西学院大学准教授(現在)、伊丹健一郎(Kenichiro Itami、責任著者)名古屋大学理学研究科物質理学専攻化学系教授・研究室主宰者らの論文が名大の調査結果とよく合致。
訂正論文と訂正公告(写し)、
Angewandte Chemie 132(16), 6613-6616, April 16,2020
瓜生瑞穂の博士論文は既に名大のデータベースで出ない。訂正公告によると瓜生瑞穂の博士論文準備中に不正が発覚したのだろう。伊丹研の卒業生紹介によると博士修了の場合は(博士)と書かれているのに瓜生瑞穂はそう書かれていない。調査結果によると瓜生瑞穂は博士後期課程を修了し懲戒処分対象でないらしいが、博士を取り消されたのか元々授与されていないのかは不明。
調査結果によると捏造、改ざんは瓜生瑞穂の単独犯で研究倫理意識の欠如が原因。調査結果では矢野裕太の不正については何も言及していない。伊丹健一郎の研究室では複数の者が多数の捏造、改ざんなどを行っていたようだ。指導や管理能力が問われる。ネイチャー論文などの不正については何も言及されていないので、これらについて名大は調査継続中なのかもしれない。とっくに調査期限を過ぎている。
なお、瓜生瑞穂は捏造、改ざんを行ったのに矢野裕太と違って伊丹研の背番号から削除されていない。
名大公式発表、トップ(写し)、調査結果(写し)
共同(写し)、NHK(写し)
矢野裕太、伊丹健一郎らの他の不正行為はこちら。こちらの方がかなり悪影響が大きい。
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(2022年4月8日追記)
学振は瓜生瑞穂を4年間研究資金不交付とした。
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(2022年4月11日追記)
竹原健二(Kenji Takehara、1950年頃生まれ、経歴)岐阜大学が盗用で懲戒解雇。
岐阜大学地域科学部教授会の文章によると
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竹原氏は、他大学の研究者から摘発された別件での30 箇所余りの剽窃により、すでに昨年12月 18 日に岐阜大学学長から、懲戒停職3ヶ月の処分を受け、地域科学部長以下も彼への必要な注意・勧告を行ないました。しかしその際、竹原氏からは反省の弁は、全くといっていいほどありませんでした。更にその後の大学側の再調査で、5人の研究者からの新たな88箇所の剽窃と、岐阜大学採用時に剽窃論文を業績とした応募文書における虚偽も明らかとなり、竹原氏の不正行為に疑問の余地はありません。竹原氏の不正は、引用方法に不備があった程度だとする彼自身の言い分(新聞報道)とは全く異なり、研究教育者の最低限のモラルすら侵しており、竹原氏が会員である日本社会福祉学会の会長の言明の通り、日本社会福祉学会の研究倫理指針を侵犯する極めて罪深いものでもあります[*]。
* 「竹原健二会員の論文剽窃に関する新聞報道への見解」(2009 年 10 月 10 日、日本社会福祉学会会長
古川孝順 日本社会福祉学会ホームページ掲載)に、当該事情が若干記されています。 ちなみに今回の懲戒解雇について、記者会見や新聞報道で、解雇権の濫用だという竹原氏の主張と、これを支持する見解が公にされもしましたが、地域科学部教員の総意は、剽窃行為の罪深さを真剣かつ深刻に捉えております。ですから剽窃行為に対して、岐阜大学学長・役員会・教育研究評議会が断固たる厳しい処分を行ったことも、国家公務員法の主旨や岐阜大学の就業規則や他の国立大学法人の規則[*]からして、当然だと考えております。
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こういう倫理意識が欠如した悪質な人物は追放するしかないだろう。
矢野裕太(Yuuta Yaho、筆頭著者)、伊丹健一郎(Kenichiro Itami、責任著者)名古屋大学理学研究科物質理学専攻化学系のネイチャー論文が誠実さの問題などで撤回された。懸念表明が出された後に撤回された。名大で調査されているか不明。
撤回公告(写し) 2020年11月25日
懸念表明、
原著論文、Nature 571, pages387–392 (2019)
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We would like to retract this Letter. Nature previously issued an Editorial Expression of Concern (https://doi.org/10.1038/s41586-020-2756-0) after we, the authors, alerted the journal to potential problems with the matrix-assisted laser desorption/ionization time-of-flight (MALDI–TOF) mass spectrometry data. These issues undermine our confidence in the integrity of the study as a whole and we therefore now wish to retract the Letter. Our group continues to explore the synthesis of graphene nanoribbons (GNRs), but we have been unable to reproduce some of the results presented in this Letter. Careful scrutiny of the source data has identified potential problems with the manner in which the MALDI–TOF mass spectrometry data in this Letter were originally generated and processed. Specifically, the exact molecular weights (m/z calculated for [M]+ and [M + Ag]+) of GNRs 2 (Extended Data Fig. 1), 7 (Extended Data Fig. 6) and 8 (Extended Data Fig. 7) were calculated wrongly on the basis of the assumption that all carbon atoms in these GNRs were 12C (monoisotopic). In all GNRs, the exact mass peaks should appear approximately 6 to 9 mass units higher. Thus, the observed mass spectra do not match the proposed GNR structures. The isotopic patterns of some GNRs (for example, Extended Data Fig. 7c, d for GNR 8) do not match the (correct) calculated spectra. These also do not support the formation of the proposed GNR structures. The baselines (noise) of the mass spectra of GNRs 2 and 8 appear to be identical, which calls into question the integrity of the mass data. The original MALDI-TOF mass spectrometry data are unavailable and only editable secondary data exist, which also raises concerns regarding the integrity of the mass data. We regret any confusion and apologize to the scientific community.
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(撤回公告からの引用)
この研究室は問題を学術誌の方に通知しただけまだよい。
岡川梓・伴金美事件(大阪大学、国立環境研究所)では小学生レベルの非常に簡単な確認と計算で削減率の正当性を確認できるのに、確認後削減率が間違っていたと意図的に虚偽記載して、嘘の情報に基づいた分析結果に全面的に変更し、結論・主旨さえ書き換える大量訂正を行った。大量訂正は原著論文の極めて悪質な捏造の隠蔽の疑いがある。長期かつ大量の捏造・改ざんと隠蔽を行った。
京大は再生研事件でも通報を握り潰し、隠蔽した。責任著者は今年になって捏造を認めて一部の論文を自主撤回。
調査していないなら名大が調査を行う必要があるかもしれない。
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(2020年11月30日追記)
本ブログの情報提供後に各紙が報道。たぶん論文撤回の件は本ブログがブログ・新聞報道などの上で第一報。
中日、毎日(写し)、共同(写し)、時事通信(写し)、日経(共同からの配信、写し)、朝日(写し)、リトラクションウォッチ(写し、ツイッター)
※時事通信には情報提供せず。後追い報道。
この件はネイチャーで発表された画期的成果だったためか、情報提供をした次の日に報道された。情報提供後の時事通信社による後追い報道によると責任著者は「実験結果に不自然な部分があり、人為的な操作があると感じた。基になるデータがパソコンに入っていたはずだが、見つかっていない」と公言、名大は調査委員会を設置した事も判明した。第一の貢献は新聞社の取材報道だが、私の報道と情報提供で新しい事実の判明と研究公正に貢献できたのは良かった。京大植物学教室の改ざん事件も私の情報提供後にマスコミが報道して責任著者が改ざんを認める等の新しい事実が判明し研究公正の改善に貢献できた。マスコミの取材と報道力はすごい。御助力に感謝する。
この事件は懸念表明もツイッターではたぶん私が最初に紹介した。疑義論文を出した研究室は著名で近年は画期的な業績をよく出していたようだ。懸念表明、撤回を出すのは迅速な対応だった。たぶん早めの火消しで損害を抑えたいという意図もあったがと思うが、本件のような画期的成果は多くの研究機関で再現実験が行われるので、他の研究者が無駄な労力や費用を使わずに済んだという点では著者らの対応を評価できる。
疑義論文は筆頭著者がD3の時に出した論文のようだ。学術奨励賞も受賞したようだ。今年3月に博士取得。おそらく疑義論文も博士論文の基礎だろう。画期的な実績を出せる研究室に所属していたため、筆頭著者も在学中に画期的業績を出せ、疑義論文の成果を名大やJSTが宣伝。なかなか優秀な学生だったようだ。しかし捏造、改ざん疑義で論文撤回され、名大・JSTの宣伝も取り下げられてしまった。現所属不明。将来有望そうな学生だったのに残念だ。
今回の事件は小保方晴子氏の事件と少し似ている。小保方晴子氏と本事件の筆頭著者はどちらも将来有望そうな学生で、画期的な成果でネイチャーに論文を掲載させて研究機関が宣伝した。記者会見も行った。しかし、捏造、改ざん疑義で撤回。著名な実績となった論文が捏造等で撤回されるのは非常に痛い。
責任著者が実験結果に不自然な点があり、人為的な操作がある旨を公言したり、一部の再現性が得られない事や生データの不存在が撤回公告で公表されてしまうと、著者らにとって非常に状況が苦しいといえるだろう。
責任著者の教授は著名人なので、早めに火消しをして損害を最小限に食い止めたいという意図があるかもしれない。素早く懸念表明、撤回が公表された。この状況だとだいたいトカゲの尻尾切りを行う事が多い。
真相や動機の解明は調査結果を待つ必要がある。名大は公正に調査して頂きたい。
私は今回も研究公正に貢献できて良かった。
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(2021年2月24日追記)
さらに2報の論文が撤回。一部は改ざんが原因のようだ。
ACS Appl. Nano Mater. 2019, 2, 8, 4825–4831 の筆頭著者は三苫伸彦(Nobuhiko Minota、現在理研研究員、元伊丹研)、第二著者が矢野裕太、責任著者が伊丹健一郎ら3人。
中日、共同、撤回公告1、撤回公告2、伊丹ラボのツイート、名大公表、NHK、日経、時事、中日その2、読売(写し)、
リトラクションウォッチ(写し、本ブログの情報提供で報道)、訂正公告、
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(2021年2月25日追記)
伊丹健一郎研のHPで矢野裕太の紹介、受賞、背番号が消去された。消去前の紹介と受賞、背番号。
(2021年2月24日付、匿名者の情報提供)
撤回されたネイチャー論文の成果であるリビングAPEX重合法は田岡化学工業と共同研究し、2019年の報道では数年以内の実用化を目指していた。
2014年4月11日のc&en(アメリカ化学会のニュース)によると福山透研でもNMRのスペクトルピークを消す改ざんがあり、たくさん訂正を行ったようだ(写し)。福山透 名古屋大学特任教授・東京大学名誉教授は学生が不正をやったと主張。
『“My impression is that some of my students who deleted minor peaks did not take seriously the idea that the spectroscopic data are important proof of the compounds’ purity,” Fukuyama says. “I myself have never manipulated the spectroscopic data or even dreamed that my students would do such a stupid thing.”』(c&en、2014年4月11日より)
(白楽ロックビル氏からの情報提供)
中田雅久 早大教授の研究室でも同様のスペクトルピークを消す改ざんがあって訂正があった事が2014年にc&enで報じられた(写し)。
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(2021年2月26日追記)
化学 75(6), 39-44, 2020-06 が撤回。編集担当者の回答だと冊子版、電子版ともに掲載号の販売を中止。私の質問を受けて、公式HPに撤回が掲載。指摘前と指摘後。著者プロフィールも削除。指摘前、指摘後。
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(2022年1月24日追記)
名古屋大学が捏造などを認定。瓜生瑞穂(Mizuho Uryu、他1,2,3、現役なら1993年頃生まれ、筆頭著者)元名大博士後期課程院生・製薬会社勤務(現在)、村上慧(Kei Murakami、経歴1、2、現役なら1984年頃生まれ、責任著者)元名大特任准教授・関西学院大学准教授(現在)、伊丹健一郎(Kenichiro Itami、責任著者)名古屋大学理学研究科物質理学専攻化学系教授・研究室主催者らの論文が名大の調査結果とよく合致。
訂正論文と訂正公告(写し)、
Angewandte Chemie 132(16), 6613-6616, April 16,2020
瓜生瑞穂の博士論文は既に名大のデータベースで出ない。訂正公告によると瓜生瑞穂の博士論文準備中に不正が発覚したのだろう。伊丹研の卒業生紹介によると博士修了の場合は(博士)と書かれているのに瓜生瑞穂はそう書かれていない。調査結果によると瓜生瑞穂は博士後期課程を修了し懲戒処分対象でないらしいが、博士を取り消されたのか元々授与されていないのかは不明。
調査結果によると捏造、改ざんは瓜生瑞穂の単独犯で研究倫理意識の欠如が原因。調査結果では矢野裕太の不正については何も言及していない。伊丹健一郎の研究室では複数の者が多数の捏造、改ざんなどを行っていたようだ。指導や管理能力が問われる。ネイチャー論文などの不正については何も言及されていないので、これらについて名大は調査継続中なのかもしれない。とっくに調査期限を過ぎている。
なお、瓜生瑞穂は捏造、改ざんを行ったのに矢野裕太と違って伊丹研の背番号から削除されていない。
名大公式発表、トップ(写し)、調査結果(写し)
共同(写し)、NHK(写し)
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(2022年3月16日追記)
Nature論文などの大量の捏造・改ざん・隠蔽工作が認定。矢野裕太の単独犯。伊丹健一郎、伊藤英人の監督責任などを認定。矢野裕太は博士前期課程1年から長期かつ大量に捏造等を繰り返していた。さらに不正の隠蔽工作を行った。矢野裕太「に反省の色は見えず、その行為は極めて悪質」、「本来研究者として当然わきまえるべき研究倫理が欠如していると言わざるを得ない」と断じられた。博士の妥当性や修士論文の調査が行われる。
大学公表トップ(写し)、調査結果(写し)、伊丹健一郎、伊藤英人の謝罪文(写し、研究室トップ)
共同、Yahooニュース(トップ)、日刊スポーツ、NHK、朝日、
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(2022年4月8日追記)
学振は矢野裕太を7年間研究資金不交付、伊丹健一郎、伊藤英人を3年間研究資金不交付とした。
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(2022年4月11日追記)
リトラクションウォッチ(トップ、ツイッター、私の情報提供で報道)
村上雅仁(Masahito Murakami(右側)、経歴(写し)、47歳(2017年3月14日時))神戸国際大学リハビリテーション学部教授が学会発表で盗用を行った他、二重投稿、研究費の架空請求をしたとして懲戒解雇された。
大学の公表によると2件の学会発表に盗用があった他、5報の論文と4件の学会発表に二重投稿等の不正行為が判明した。さらに研究費の架空請求が確認された。28日付の神戸新聞によると『「知人に研究の助言を求めるため」などとして、実際は行っていない出張の交通費など約8万3千円を研究費名目で大学に請求した』という。
大学は不正の調査概要を後日公表すると発表したので、わかったら改訂する。
今回の不正で珍しいのは4件の学会発表が二重投稿の不正と認定された点。詳細がわからないので、何とも言えないが、もし国内の日本語での発表のようなものが二重投稿とされたなら、不正と認定された例をはじめてみた。国際会議のプロシーディングスの二重投稿なら認定例はいくつもある。某国立系研究者の事例などがよい例だ。よく査読付きの学術誌に掲載した論文で重複しなければ不正ではなく、二重投稿しても問題ないと誤解している研究者がいるが、そういう人はいつか不正をやってしまうかもしれない。研究倫理をきちんと理解する事は重要である。
不正公表日 2016年10月27日
不正発覚の経緯 2015年6月15日に外部からの顕名通報で発覚。
調査報告書の提出日 2016年7月22日
懲戒解雇日付 2016年10月12日
不正の態様 詳細不明。
不正の原因、動機 不明。被告発者は不正を否定。
神戸国際大学リハビリテーション学部の教員一覧、2016年10月28日時点、同年10月15日時点、同年5月6日時点。
神戸新聞(写し)、朝日(写し)、産経(写し)、NHK(写し)
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(2017年3月14日追記)