2014年12月26日12時20分
「STAP細胞」とされたものは、別の万能細胞である「ES細胞」に由来する細胞だった――。この1年間、世間を騒がせたSTAP細胞論文への疑義の結論が26日、理化学研究所の調査委員会から示された。しかし、なぜES細胞が混入したのか、だれがかかわったのか、依然謎は残ったままだ。
「結論を申しますと、STAP幹細胞は残存試料を調べた限りでは、すべて既存のES細胞に由来していた。それから、STAP細胞からつくったキメラマウス、テラトーマ(腫瘍(しゅよう)組織)もその可能性が非常に高い。故意か過失か、だれが行ったかは決定できない」
調査委の委員長を務める桂勲・国立遺伝学研究所長は、約150人の報道陣を前に、スライドとともに説明を始めた。
STAP細胞の作製や、細胞をマウスの受精卵に注入してつくるキメラマウスの作製には小保方晴子元研究員のほか、山梨大の若山照彦教授がかかわった。だが、細胞を作製する際、研究室の培養装置内に約7日間、置かれたままになっていた。当時の研究室には、多くの人が夜間に出入りすることが可能だったという。
桂委員長によると、小保方氏にES細胞混入の可能性について尋ねたところ「私はESを混入させたことは絶対ない」と否定したという。「科学者としては、ピペットの誤操作があれば入るかなという感覚もあるが、証拠がないのに判断してはいけない」と述べた。
若山教授の研究室関係者は26日朝、若山教授は研究室で会見の様子を見守ると説明した。若山教授が会見を開く予定はなく、理研の発表を見たうえでコメントを出すか検討するという。
小保方氏の代理人の三木秀夫弁護士は、大阪市内の事務所前に集まった約20人の報道陣に「まだ何の協議もできていない。本人にも(調査結果の)内容は伝わっていないはずなので、何も言えない」と語った。
朝日新聞
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